転職活動を始めると、多くの企業から提出を求められるのが職務経歴書です。
しかし、「履歴書と何が違うのか分からない」「担当した仕事をどこまで書けばよいのか」「アピールできる実績が思いつかない」と悩む人も少なくありません。
職務経歴書で重要なのは、華やかな実績を書くことではなく、これまで経験した仕事と、応募先で生かせる能力を採用担当者へ分かりやすく伝えることです。
この記事では、職務経歴書の基本的な書き方から、職務要約、業務内容、実績、自己PRの例文まで分かりやすく解説します。
職務経歴書と履歴書の違い
履歴書は、氏名や住所、学歴、職歴、資格などの基本情報をまとめた書類です。一方、職務経歴書は、これまで担当した仕事や身につけた能力を詳しく説明するための書類です。
| 比較項目 | 履歴書 | 職務経歴書 |
|---|---|---|
| 主な目的 | 基本情報を伝える | 仕事の経験や能力を伝える |
| 主な内容 | 学歴・職歴・資格・志望動機 | 業務内容・実績・スキル・自己PR |
| 一般的な枚数 | 指定様式に合わせる | A4用紙1~2枚程度 |
履歴書に会社名や在籍期間を書くだけでは、具体的にどのような仕事ができるのかまでは伝わりません。その情報を補い、応募先で活躍できる根拠を示すのが職務経歴書です。
職務経歴書に書く基本項目
職務経歴書には、一般的に次の項目を記載します。
- タイトル・作成日・氏名
- 職務要約
- 勤務先の情報
- 担当した業務
- 実績や工夫したこと
- 生かせる経験・知識・スキル
- 資格
- 自己PR
すべての経験を細かく書くのではなく、応募先が求めている人材を意識し、関連性の高い経験を優先して記載しましょう。
職務経歴書の書き方
1.タイトル・日付・氏名
書類の最上部に「職務経歴書」と記載し、その下または右側に提出日と氏名を入れます。日付は、郵送の場合は投函日、メールや応募フォームの場合は送信日を記載するのが一般的です。
記載例
職務経歴書
20XX年○月○日
山田 太郎
2.職務要約
職務要約は、これまでの経歴を3~5行程度にまとめる項目です。採用担当者が最初に確認する部分なので、経験年数、担当業務、得意分野を簡潔に伝えましょう。
営業職の例文
法人営業として5年間、業務用システムの提案営業に従事してきました。新規顧客の開拓から既存顧客への追加提案、導入後のフォローまで一貫して担当しています。顧客の課題を丁寧に聞き取り、社内の技術部門と連携しながら提案内容を組み立てることを得意としています。
事務職の例文
一般事務として4年間、受発注管理、請求書作成、顧客からの問い合わせ対応、営業資料の作成などを担当してきました。正確性と対応速度を意識し、業務手順の見直しや書類フォーマットの統一にも取り組みました。
3.勤務先の情報
会社名だけでなく、事業内容、従業員数、雇用形態、在籍期間などを記載します。採用担当者が会社の規模や業務環境をイメージしやすくなります。
20XX年4月~現在 株式会社○○
事業内容:法人向け業務システムの開発・販売
従業員数:150名
雇用形態:正社員
4.担当業務
担当業務は、仕事を知らない人が読んでも分かるよう、具体的に記載します。社内だけで使われる略語や専門用語には、説明を加えましょう。
- 何を担当したか
- 誰を対象にした仕事か
- どのような方法で取り組んだか
- 担当した件数や範囲
- チーム内での役割
表現の改善例
改善前:顧客対応を担当
改善後:既存顧客約50社を担当し、電話・メールによる問い合わせ対応、契約更新の案内、追加サービスの提案を実施
5.実績や工夫したこと
売上、件数、達成率、対応時間など、数字で示せる情報があれば記載します。ただし、数字だけを並べるのではなく、成果につながった行動や工夫もセットで説明しましょう。
実績の例文
顧客ごとの契約状況と過去の問い合わせ内容を整理し、更新時期に合わせた提案を実施しました。その結果、担当顧客の契約更新率を前年の85%から92%へ改善しました。
売上などの数字を記載する場合は、社外秘の情報を開示しないよう注意してください。具体的な金額を出せない場合は、達成率や前年比などで表現できます。
6.生かせる経験・スキル
保有している経験やスキルのうち、応募先の仕事で生かせるものを優先して記載します。
- 営業経験や顧客対応経験
- 業界や商品に関する知識
- パソコンソフトや業務システムの使用経験
- マネジメント経験
- 語学力や資格
パソコンスキルは「使用可能」と書くだけでなく、「Excel:表作成、基本的な関数、ピボットテーブル」など、できる操作まで記載すると伝わりやすくなります。
7.自己PR
自己PRでは、自分の強み、強みが表れた具体的な経験、応募先での生かし方を順番に書きます。
自己PRの例文
私の強みは、相手の要望を整理し、関係者と調整しながら仕事を進める力です。前職では、営業担当と制作担当の間に入り、依頼内容と納期を整理したうえで進行状況を共有していました。その結果、確認漏れや作業の手戻りを減らすことができました。これまで培った調整力を生かし、貴社でも周囲と連携しながら正確に業務を進めてまいります。
実績が思いつかない場合はどうする?
「売上を伸ばした経験がない」「表彰されたことがない」という人でも、職務経歴書に書けることはあります。
次のような経験を振り返ってみましょう。
- 仕事を早く終えるために工夫したこと
- ミスを減らすために改善したこと
- 顧客や同僚から感謝されたこと
- 新人へ仕事を教えた経験
- 継続して任されていた仕事
- トラブルに対応した経験
- チームを支えるために取り組んだこと
実績は、売上や受賞歴だけではありません。正確さ、継続力、対応力、改善力なども、具体的な行動と一緒に示せば十分なアピール材料になります。
職務経歴書でよくある失敗
業務内容を並べるだけになっている
担当した仕事だけを箇条書きにしても、自分がどのように取り組んだのかは伝わりません。役割や工夫、成果も加えましょう。
文章が長く、重要な情報が分かりにくい
採用担当者が短時間で内容を把握できるよう、見出しや箇条書きを活用します。一つの文章が長くなりすぎないよう注意しましょう。
すべての応募先へ同じ内容を提出している
応募先によって求められる経験や能力は異なります。求人情報を確認し、関連性の高い経験を目立つ位置に配置しましょう。
誤字や表記のずれがある
在籍期間が履歴書と異なっていたり、会社名を省略したりすると、確認不足という印象を与える可能性があります。提出前に履歴書と照合しましょう。
提出前のチェックリスト
- 会社名や在籍期間は履歴書と一致しているか
- 誤字・脱字はないか
- 社内用語や略語を多用していないか
- 担当業務が具体的に書かれているか
- 実績と、そのために行った工夫が書かれているか
- 応募先で生かせる経験が伝わるか
- 文字の大きさや余白が統一されているか
- 社外秘の情報が含まれていないか
- 指定されたファイル形式や提出方法を守っているか
職務経歴書に関するよくある質問
職務経歴書は何枚にまとめればよいですか?
一般的にはA4用紙1~2枚程度が目安です。ただし、経験年数や応募企業からの指定によって異なります。枚数を増やすことより、必要な情報を読みやすく整理することを優先しましょう。
アルバイトや派遣社員の経験も書くべきですか?
応募先で生かせる経験であれば、雇用形態にかかわらず記載を検討しましょう。勤務期間、業務内容、役割が分かるように整理します。
退職理由を書く必要はありますか?
職務経歴書への退職理由の記載は、企業から指定されていない限り必須ではありません。記載する場合は、事実に沿って簡潔にまとめましょう。
まとめ
職務経歴書は、これまでの仕事内容と、応募先で生かせる能力を採用担当者へ伝えるための書類です。
担当業務を並べるだけでなく、「どのような役割を担ったか」「どのような工夫をしたか」「その結果どうなったか」を具体的に記載しましょう。
華やかな実績がなくても、ミスを減らした経験や周囲を支えた経験、継続して取り組んだことはアピール材料になります。完成後は求人情報と照らし合わせ、応募先が求める経験を分かりやすく伝えられているか確認してください。